
緊急移送を含む旅行傷害保険に必ず加入しておいてください。病気や事故に罹った時の治療費の補償をしてもらえます。通常、ジャカルタで先進国からの外国人の使用に耐える私立病院の個室に入院した場合、2007年5月現在、1日およそ100万ルピアかかります。入院時にはこの10倍をデポジットとして事前に請求されると思って下さい。手術料なども意外に高額であり、手首骨折のため日帰りで手術した症例で約2,600万ルピアかかりました(2007年4月の実例)。
また、当地での治療が困難で、シンガポールや日本への緊急移送が必要になった場合、医療器材を搭載した専用機をチャーターし、医師が同乗するケースでは、日本までの移送費は1千万から2千万円になります。緊急移送を含む保険に加入していて限度額以内であれば無料ですが、そうでなければ自費負担、ないし移送をあきらめざるを得ません。腸閉塞のためシンガポールに緊急輸送された生後6ヶ月以内の赤ちゃんのケースでは、約300万円かかったそうです(2007年4月の実例)。
既に加入されている方も、緊急移送について今一度そのシステム、提携先を確認しておいてください。
赴任前には必ず健康診断を受け健康状態をチェックしておく必要があります。この場合、家族の方も一緒に受けてください。できれば歯科検診も受けてください。
特に慢性疾患(高血圧、糖尿病など)をお持ちの方は、十分にコントロールしてから赴任する必要があります。海外赴任は精神的にも肉体的にも大きなストレスであり、また赴任前後は多忙をきわめ食事も宴席が続くなど不規則になりがちです。慢性病はこうした変化を直接受けやすく注意が必要です。慢性疾患をお持ちの方は、英文でかかれた紹介状、ないし経過記録を赴任前に日本の医師に依頼して当地へ携帯されることをお薦めします。また、同様に薬などに対してアレルギーをお持ちの方も、英文での記録を所持し、当地で医療機関を受診する際に医師に提出するようにしてください。
赴任当初は緊張もあり比較的病気になる事は少ないのですが、1ヶ月あるいは3ヶ月頃の少し慣れてきた頃が要注意な時期です。油断をしておなかをこわしたりするのも少し慣れてきたこの時期が多いようです。なお、赴任前検診は必ず赴任前に結果を聞き、説明を受け、必要があれば再検査まですませて赴任してください。赴任してから再検査すれば良い、と言う考えは危険です。
また、年1回の定期健康診断は必ず受けるようにしてください。胸部レントゲンを受けるのは、肺ガンの早期発見のためばかりではありません。日本では少なくなっている結核は当地では、たいへんに多い疾患であり、こうした肺疾患の早期発見のためにこの検査は是非必要です。検便も大腸癌の発見のためだけではありません。当地で多い寄生虫疾患の発見のためにも是非必要です。また、当地では日本と異なり病気になっても気軽に受診できて信頼に足る医療機関が多くありません。従って、日頃から健康は自分でチェックして管理する必要があります。
検診の項目については、35才以下の方なら年1回の胸部レントゲン、体重、血圧測定、尿・便検査程度で良いかと思いますが、それ以上の年齢の方は、血液検査でコレステロールや中性脂肪、肝機能、貧血、尿酸、糖負荷テスト、心電図、腹部超音波などの検査を追加する必要があります。また家系的に癌の多い方は、さらに胃のレントゲン、大腸レントゲン、子宮癌検診、CTによる脳検診等を追加する必要があります。
検診場所はできれば日本の施設を利用されるのが一番確かと思います。検診結果について医師と相談できる施設を選んで十分に説明を受けて下さい。くれぐれも、検診結果表のみ郵送されてくるような施設は利用しないでください。
(注:近年、当地には医療機関が沢山設立され医療設備も充実し、一見、医療が向上したように見えますが、病気になったとき、または、健康診断を受けたときに、正確で的確な診断がなかなかつかない、というケースを良く耳にします。医療設備を使用する医療関係者の技術・知識面に関しては、まだ疑問があるということでしょう。)
当地でも一般的な種類の予防接種を受けることは可能ですが、予防という意味で、赴任前に日本でできるだけ受けて来ることをおすすめします。小児期に必要な予防接種、BCG、三種混合、ポリオこれは必須です。子供ではこのほか日本脳炎、ポリオの3回目接種も受けておいた方が良いです。また大人の場合も、A型肝炎、B型肝炎、腸チフス、破傷風を受けることを強くおすすめします。(これらの予防接種は全て、当地でも可能です。)予防接種は副作用の問題で日本では任意接種になっている物も多いのですが、当地のような不健康地ではワクチンの重要性が全く異なります。(注:ジャカルタでのマラリヤと日本脳炎の発症例はきわめて少ないですが、腸チフスやアメーバー赤痢、デング熱は多発しています。腸チフスの予防接種は可能ですが、アメーバー赤痢やデング熱に対する予防接種はないため、対処療法しかありません。)
当地では日本に比べれば予防摂取率はまだまだ低いのが現状ですから、街に菌やウイルスがあふれており感染の機会は高率にあると考えてください。また、日本での接種をすすめるのは、やはり副作用の問題です。ワクチンそのものについては外国製であっても問題があるものは少なく、副作用の率もそれ程かわりません。しかし、日本で日本の薬を使用して起こった副作用であれば補償制度が適応されますが、外国では何の保証もされません。(過去に、先進国で副作用が問題となってすでに使用が中止されていたワクチンが、当地を含め東南アジア諸国でまだ販売されていたことが発覚したことがありますので、注意が必要です。)