
ジャカルタの日本人の住まいの形態としては、「一軒家」か、一軒家でも「タウンハウス」と呼ばれる安全に仕切られた集合住宅か、または「アパート」と呼ばれる高層住宅かに別れます。以前は一軒家が主流でしたが、最近は防犯上の理由や利便性から「タウンハウス」「アパート」を選ぶことがほとんどです。
下記に、各住居の特徴をご紹介します。
日本風に言えば「マンション」で、高層集合住宅を指します。入り口に警備員を配置しているので鍵一本で外出できる安全性・利便性がある上に、プール・テニスコート・フィットネスジム・子どもの遊び場・ファンクションルームはほとんどのアパートに設置されていますし、他にもレストラン、ショッピングモールやプレスクールなどが併設されているアパートもあるなど、共有スペースの充実で大変人気があります。日本人の住居としては最も一般的で、単身者から大家族まで、幅広い層が住まいとして選択しています。
中にはホテルサービスのついたアパートもあり、ホテルと同程度の設備とサービス(掃除・洗濯・食事のルームサービスなど)が受けられます。メイドを雇う必要が無いので、単身赴任者や小家族向けに人気があります。
広い敷地をゲートで囲み、同じような一戸建てがずらりと並ぶ。見た目は「大手ディベロッパーが開発した新興住宅地」の雰囲気の集合住宅地です。入り口には警備員を配置したゲートがあり安全性を確保できているので、アパートほどの施設は無いものの安心して生活できます。庭に防虫スプレーを定期的に散布してくれるなどのマネージメントサービスも充実しています。
管理の行き届いた庭が得られるため、小さい子どもやペットのいる家庭に人気があります。
広さや立地条件のわりに家賃は割安になりますが、メイドや警備員(24時間交代勤務なので数名)などの使用人を多数雇う必要があり、家のメンテナンス代も自分で出す場合が多いので、出費が多く、最近は敬遠されがちです。ただし、庭もあり、家の中も広く、プールがついているところもあるので、日本ではなかなか味わえない贅沢さを堪能できます。
アパートやタウンハウスのようなマネージメントサービスはないので、停電への備えや、害虫駆除などの配慮が必要になります。
住居の周辺環境は、ジャカルタに限らず、住宅選びの際の大きなポイントになります。
通勤・通学の便が良いか、病院や買い物場所へのアクセスはどうか、という、日本と同様のポイントはもちろんのこと、渋滞のひどいジャカルタでは周辺の道路事情も重要なポイントですし、インフラ整備が進んでいないので洪水や停電に対する考慮が必要です。できれば事前にジャカルタに長く住む人の意見を確認しておくと安心でしょう。
治安の悪いジャカルタでは、どのエリアに住むにしてもセキュリティへの配慮が必要です。
「一軒家」の場合は「ジャガー」と呼ばれるガードマンを雇うのが一般的です。
「アパート」「タウンハウス」はセキュリティサービスがありますが、入居者以外の立ち入り規制はアパート・タウンハウスによって大きく異なるので、どの程度セキュリティチェックが機能しているかは確認しておくと良いでしょう。
物件の間取りについては、広さや部屋数のほかにも、屋内のサービススペースの状況(中心地のアパートでは屋外に洗濯物を干すことが認められていないことが多い)や、メイド部屋・メイド用玄関の有無も確認ポイントと言えるでしょう。
どのような住居、住環境を選ぶかは、各自の好みが分かれるところです。
日本人が多く住むアパートは、日本人にとって利便性の高い立地条件・ファシリティですし、友達が作りやすく情報が得やすいため、何かと日本とは勝手の違う海外生活では大変心強いでしょう。しかし一方で、人間関係に気を使わなければならない、という意見もあります。
他にも、使用人の昼食スポットの有無、駐車スペースの状況などは、確認しておくと安心です。
ジャカルタでの住まい探しは、日本とは異なる配慮が必要です。特に小さい子どもがいる場合は、安全な遊び場の確保も重要な条件のひとつになります。日本で考えるような、「家の前の通り」や「近所の公園」といったところは、暑かったり不衛生だったり、空気が悪かったりするのでで、散歩道や遊び場としては利用できません。
「一軒家」の場合には、子どもと共に自由に行動できるのは、「家の敷地内」と考えていいでしょう。必然的に家の中で過ごす時間が多くなります。自宅の庭は、暑さには変わりありませんが、害虫の駆除などを心がけ衛生的に保てば、利用できるでしょう。ただし、公園にあるような固定遊具(ブランコ、滑り台、ジャングルジムなど)は家の中で使えるようなものを用意して、屋内で遊んでいる人がほとんどです。
「一軒家」でもタウンハウスの中であれば、その中に公園が用意され、安全かつ衛生的に保たれている場合もあります。小さな子どものいる家庭にとっては、とてもありがたいことです。場合によってはその中で友達関係もでき、日本での生活に近いものになるかもしれません。
「アパート」の場合には、屋内外に共用のスペースがあり、ちょっとした庭や公園があることが多いようです。ファンクションルームなどを利用して、定期的にプレイグループや子どもの誕生会などを開催することもできるでしょう。また最近は屋内のキッズルームを設置するアパートも増えてきました。日中は暑くて外遊びのできないジャカルタではありがたい設備です。
また、いずれのタイプの住宅に暮らすにしても、家の中の安全確保にも日本とは異なる配慮が必要です。
ジャカルタの住宅の多くは床が大理石張りです。大理石は涼しく掃除もラクなのですが、小さな子どものいる家庭では転倒やソファ・ベッドからの落下が大事故につながりかねないので、大理石の上にプレイマットや畳を敷くなどの工夫をすると良いでしょう。
子供の病気や怪我で緊急の治療が必要な場合、日本では救急車を呼ぶことができますが、インドネシアでは自分で車を手配して病院まで運ぶ必要があります。そのため、かかりつけ医や、救急外来のある病院へのアクセスも考慮したほうが良いでしょう。
また、賃貸契約物件では家具付きが基本になりますが、ガラス製のコーヒーテーブルや壊れやすい棚などは事故につながりやすいため、アパートやオーナーに頼んで撤去または変更してもらうことも検討しましょう。
ジャカルタの各エリア別の住宅の特徴は、下記の通りです。
代表エリア:スディルマン地区、スナヤン地区、クニンガン地区など
利点としては、父親のオフィスが中心地にある場合、通勤の便が良いこと。
また、病院、ショッピング、外食、空港への往復などの便が良いことがあげられます。
難点としては、中心地外や郊外に比べると空気がきれいではないこと、住居の点では、やはり郊外に比べると同程度の家賃でも部屋は狭くなりやすいこと、敷地内に公園がないか、あっても狭いアパートも多く、子供を外で遊ばせる環境の点では南部地域や郊外には劣るといえます。
交通の点では、中心部から他の地域に出かける際、朝夕の3 in 1(交通事情のページ参照)があるので、外出時に多少不便であること。日本人学校・付属幼稚園が遠いため、学齢期の子どもは通園・通学が大変という声もあります。
代表エリア:ポンドックインダ地区、チランダック地区、シンプルック地区、クマン地区
利点としては、日本人学校・幼稚園により近くなること、空気・水が比較的きれい(もちろん水道水は飲めませんが)であることがあげられます。学齢期の子どもが多く住んでおり、子どもの習い事や塾に通う際に便利という声もあります。
住居の点では、アパート敷地内の公園など、子どもを屋外で遊ばせられる環境が広くとられていることが多く、中心部に比べると同程度の家賃で広めの間取りになる傾向にあるようです。中心地よりも、比較的日本人の多く住むタウンハウスを探しやすいこともあげられます。
難点としては、父親のオフィスが中心地にある場合、便が悪くなることがあげられます。通勤以外でも、中心地に出かける際には同じく 3in 1の問題があります。また、場所によっては日本食スーパーまで遠いこともあります。
いずれの場所に住むにせよ、父親の通勤、家族構成、ペットの有無、などの諸条件と相談しながら、少しでも暮らしやすい住まいを見つけるとよいでしょう。
ある程度、住みたい物件が絞り込めている状態で、入居後のトラブルも自分で解決する覚悟があれば、直接アパートのマネージメントオフィスに申し込めば、空き部屋を紹介してもらえます。アパートによっては日本語の話せるスタッフがマネージメントオフィスにいるところもあります。
一方で、いろいろな物件を効率よく見てから決めたい、といった場合には、不動産会社の仲介を通すと便利でしょう。特に語学に自信が無いので日本語で物件を探したり、入居後のトラブル対応も助けてもらったりしたい、といった場合には、日本人を対象とした不動産会社もあります。日本からでもメールで問い合わせ可能です。
また、物件の種類として、アパートマネジメント物件(アパートが管理する物件)と、オーナー物件(オーナーの所有する物件を賃貸で借りる)があります。
一般には、アパートマネジメント物件の方がメンテナンスやトラブル時の対応は迅速なものの家賃は高め、オーナー物件はその反対になると言われています。物件を探す際には考慮に入れておくと良いでしょう。