
インドネシアで受けることのできる予防接種の種類とスケジュールの一例、また、その予防接種を受ける必要性についてまとめてみました。参考にして下さい。
予防接種の時期というのはある程度の幅をもっており、重要なのは「ある一定の期間に忘れずに規定回数を受ける」ということです。
日本においても、医学的に可能な接種時期と保健所などで推奨されている時期は、多少の違いがあります。また、日本の予防接種のスケジュールと同じ国を探しても、他には例を見ないのが現状であり、日本のスケジュール(回数・時期・種類)は他の先進国と比べてみても、かなり特殊であるということをまず念頭において下さい。
ジャカルタのいくつかの私立病院では、独自のスケジュールを持っているようですが、どこの病院のものも問題はありません。
| 生後0ヶ月 | B型肝炎(1回目) |
| 1ヶ月 | BCG・B型肝炎(2回目) |
| 2ヶ月 | ポリオ(1回目)・DPT[百日咳・破傷風・ジフテリア ](1回目) |
| 3ヶ月 | ポリオ(2回目)・DPT(2回目) |
| 4ヶ月 | ポリオ(3回目)・DPT(3回目) |
| 6ヶ月 | B型肝炎(3回目) |
| 9ヶ月 | 麻疹(はしか) |
| 12〜18ヶ月 | 水疱瘡(水ぼうそう) |
| 18ヶ月 | MMR[麻疹・おたふくかぜ・風疹(3日ばしか)] |
| 18〜24ヶ月 | DPT(追加接種) |
| 3歳以降 | 日本脳炎 |
| 12歳 | DT [破傷風・ジフテリア] |
<補足>
*B型肝炎については、生後すぐでなくてもかまいませんが、当地の流行性を考えると、できるだけ早期接種が望ましい。
*ポリオについても同様に、日本よりも接種回数が多く、3回以上が望ましい。またDPTとポリオの同日接種可能。
| 予防接種の種類 | 接種年齢 | 備考 |
|---|---|---|
| BCG | 0〜3ヶ月 | *生後3カ月を過ぎて接種する場合、ツベルクリンの反応の結果を見てからBCGをおこなう |
| 三種混合 *ジフテリア *百日ぜき *破傷風 ポリオ | 1. 2カ月 2. 4カ月 3. 6カ月 4.18カ月 5.4〜6歳 *6.10年ごと追加免疫 | |
| ジフテリア 破傷風 | 7歳以上の小児 | 5〜10年ごとの追加免疫 |
| 新三種混合(MMR) *はしか *おたふくかぜ *風疹 はしか | 1. 9カ月 (はしかのみ) 2.15カ月 3.11歳〜14歳 | *MMR:卵アレルギーが強い場合、接種不可。医師に要相談。 |
| A型肝炎 | 1.初回 2.初回から2〜4週間後 3.初回から6〜12カ月後 | *インドネシアに滞在する方には推奨。 *開始時期は医師と相談(通常は2歳以上) *2回接種後だと1年以上、3回接種後だと10年まで免疫が持続 |
| B型肝炎 | 1.初回(生後すぐ) 2.初回から1カ月後 3.初回から6カ月後 | いつの時期からでも開始可能 。 *インドネシアに滞在する方には推奨 *3〜5年毎、追加免疫 |
| 腸チフス | 1.初回(11〜12カ月) 2.初回から1カ月後 3.1〜3年ごとに追加免疫 | *インドネシアに滞在する方には推奨。 *2歳以上。 *3年毎、追加免疫 *腸チフスカプセルもあり。ただし小学校高学年より可。 |
| ヘモフィルスインフルエンザB型(髄膜炎) | 1.初回(生後6カ月未満児) 2.初回から2カ月後 3.初回から4カ月後 4.初回から13カ月後 | *乳幼児の細菌性髄膜炎に対するワクチン。 *現在、日本では接種していない。 *インドネシアに滞在する方には推奨。 *生後6ヶ月を過ぎていても接種可なので、医師に相談。 *接種間隔は追加免疫を含め2カ月あけること *15カ月ぐらいで追加免疫を受けること。 *三種混合、新三種混合、ポリオと同時接種可。 |
| 日本脳炎 | 1.初回 2.初回から1〜2週間後 3.初回から4週間後 4.必要であれば3年ごとに追加免疫 | *インドネシアでは都市部以外の地域に住む場合のみ必要。 *1歳〜接種可 |
| 予防接種名 | 疾患について | 接種の必要性 |
|---|---|---|
| BCG 英)BCG イ)BCG | 咳を介しての肺への感染が主で、集団生活の中で感染しやすい。 当地ではまだ非常に多くみられる。近年、薬剤耐性菌が増えてきていることもあり、予防接種は是非必要と考えられる。 (*日本ではスタンプ式だが、当地では基本的に注射式である。医師により太ももに接種する場合と腕にする場合とがある。) | 必ず接種 |
| 百日咳 英)pertussis イ)batu rejan(gabungan) | 咳発作が長期に続く病気で、チアノーゼや嘔吐も伴い、子どもには大変苦しい病気。特に1才未満の乳児がかかった場合には、重症化しやすい。日本のワクチンは発熱の副反応が非常に少ないが、それ以外の国で使用されているワクチンは発熱を伴う。 | 必ず接種 |
| 破傷風 英)tetanus イ)tetanus | 不衛生にしている外傷部位などに、破傷風菌が増殖する。感染症はない。 あごの筋肉の緊張で口が開けにくくなったり、痙攣が起こる。当地では、新生児破傷風が大きな問題である。 | 必ず接種 |
| ジフテリア 英)diphtheria イ)difteri | 咳を介して人から人へ感染するが、不顕性感染のことが多い。発症すると大変重症となる。 | 必ず接種 |
| ポリオ 英)polio イ)polio | 不顕性感染のことが多いが、発熱・筋肉痛などの症状で、0.1〜1% の頻度で四肢、特に下肢の麻痺が残る病気である。 便中のウイルスが経口的に感染し、不衛生な場所ではよく見られる。 減少してきているが、当地ではまだ相当数の症例がある。 日本では2回のみの接種であるが、 これはポリオが抑制されているからで、当地では最低3回できれば4回の接種が必要である。 経口のワクチンなので副反応はまずない。 | 必ず接種 |
| 麻 疹(はしか) 英)measles イ)campak | 呼吸器症状と皮膚発疹を伴なう病気で、感染力が強い。肺炎を起こしたり、ごくまれに脳症を併発することもある。当地では生後9ヶ月での接種が標準だが、できれば1才9ヶ月時に再接種することを勧める。 | 必ず接種 |
| 風 疹(三日ばしか) 英)rubella イ)rubella | 三日ばしか。麻疹より軽い症状だが、妊婦が罹患すると胎児への影響(先天性の疾患)があり、成人での罹患は避けたい。 | 随意(接種を勧める) |
| 流行性耳下腺炎 英)mumps イ)penyakit gondok | おたふくかぜ。耳の下の唾液腺が腫れて痛みが強い。不顕性感染のこともあるが、成人男子の罹患で副睾丸炎の合併がしばしばみられる。 | 随意(接種を勧める) |
| 水 痘(水ぼうそう) 英)chicken pox イ)cacar air | 皮膚に水泡ができ、発熱を伴う場合が多い。水泡内にウイルスが存在し、接触感染する力は強い。 普通、子どもに見られる水痘は重症化することはまれであるが、妊婦が水痘にかかると先天性の障害を持つ子どもが生まれたり、新生児が重症になる。 年齢に拘らず、罹患暦のない人にはワクチンを受けることを勧める。 | 随意(接種を勧める) |
| B型肝炎 英)hepatitis B type イ)radang hati B | 当地ではキャリア率が非常に高い。 血液や注射針を介しての感染であるが母子感染が最も多い。 慢性肝炎・肝硬変・肝炎との関係が言われているが、かつて言われていたほどの強い関係はない。妊婦が抗原陽性の場合は、新生児にはワクチン接種が是非必要である。 | 随意 |
| A型肝炎 英)heoatitis A type イ)radang hati A | 食物などを介した経口感染で起こる。 当地でも非常に多い病気であるが、不顕性感染のことが多い。 今までは2〜3ヶ月しか効果の持続しないグロブリンの注射のみであったが、新しくワクチンができた。 長期に滞在する人にはワクチンによる予防が望まれる。 | 随意(接種を勧める) |
| インフルエンザB菌(HIB) 英)Hemophilis Infuluenza B イ)pilek / Flu | 1〜2才の乳幼児に多くみられる化膿性髄膜炎や呼吸器などの重症感染症の病源である。 日本ではこのワクチンは市販されておらず接種できない。 | 随意 |
| 狂犬病 英)rabies hydrophobia イ)sakit anjing gila | 日本では稀な病気だが、当地を含む途上国では常在しているので、ワクチンによる予防が望まれる。 | 随意 |
| 腸チフス 英)tyhoid イ)deman typhus | 全ての年齢に起こるが、5〜19才の罹患が最も高い。高熱と下痢(下痢は約30%〜50%の割合で起こり、必ずしも伴なわない)が症状である。 時に、皮膚に発疹が現れる。 当地は腸チフスの流行地であることを考えれば、ワクチン接種は有効である。 なお、このワクチンは日本では入手できない。 | 随意 |
<補足>
* D. T. (Diphtheria ジフテリア / Tetanus 破傷風)
*MMR (Measles 麻疹/ Mumps 流行性耳下腺炎 / Rubella 風疹)
MMR (新三種混合)は、現在日本では行っていないが、インドネシアでは、米国製のワクチンを用いており、副反応の頻度も少ない。卵アレルギーのある場合、医師に要相談。
*MRは当地では取り扱いがないようです。(2007年5月現在)